二枚目の浴衣のこと



夏に間に合うように
濡れ布 去年は反物を買ったのがすでに7月末
縫い上がったのはお盆の頃で
着てはみても出かけるまでにはいかなんだ

別に去年のを着て出かけてもよいんだけど
地が白だから透けるし寝間着っぽいしで
二枚目の浴衣を縫うことを去年から決心

ネットでいろいろリサーチしたり
雑誌なんかも参考にして
おぼろげに欲しい色あいとか染め方とか
自分の趣味なんかが見えてきた頃
呉服屋から反物入荷のお知らせ

お手頃なのがあったら笠仙*の とか
街に着ていけるようなしっかりした
色柄で寝間着っぽくない質感のなどと
おぼろげに決めてお店へ
反物水通し中(予め布を縮ませる作業)
巻いてある反物を解してぐしゃぐしゃにしてネットに入れて
中性洗剤を使って洗濯機の弱流で洗い 緩く脱水したところ


12mを往復で 実を言うとオレンジ色とかベリー色などの
華やかな差し色の入った大柄のものか
地色の濃い物がいいかなぁと思っていた
でも反物ってそう置いてないんですね

みなさんが出来合を買うそうで
自分やお店で仕立てる人は少ないそうです
ちょっとがっかりしつつも憧れの笠仙に
ちょっとうっとり…でも高い
しかも紅梅という透けるような生地で
下着はどうするのぅ?という感じ

「襦袢着て着物のように着ても
よいんですよぅ」などと言うけれど
薄物は仕立てるのも自信がないしで
結局ベージュの地に紺色の染めの
反物を購入(1万6千円くらい)

ええと 型紙を反物にのせて
防染糊を布に置いていき
染料を注ぎながら染めていく
注染という技法の染め物です
地直し1秒前
そして布目を整えつつアイロンをじっくりとかける
注染の反物なのでこっちが表!としっかり決めて
裏からアイロンをあてる
(本来はあて布をするべきです 後で痛い目を見た!)
長さ12mを一回では乾ききらないので往復します
2回目はしわにならないよう 巻いてあった紙芯に巻きながら
巻物完成! いろんな柄があったのに
去年と同じ雪輪柄にしてしまった
でも今回は雪輪の中に
桜 向日葵 なでしことすだれ
桔梗と萩と芒ですかねこれは…
色は地味だけれど大柄なので騒がしい と
同じ雪輪でも地色も雰囲気もガラッと違う

色のわりに意外と派手かもぅと満足しつつ
自分ではそう思って帰宅したんだけど
両親に見せると 二人で声を揃えて
(実は緊張する一瞬 だって母だけじゃなく
父も着物には結構うるさいんだもん)

「地味ね〜…」

「そそそそそそうかな?
結構大柄で騒がしくない?」
「そうね〜でも色が地味ね〜
地色もこれじゃね ね お父さん」
「ばあさんだな」
がーん…
地直し終了 長かった…
ふわふわと舞い上がる蒸気と中腰上半身運動に汗だくです
でもこの幅だから12mあっても割と平気
洋服地の場合 縦にも横にもアイロン台からはみ出すから
もう大変なんです いやんなりますよ ほんとに
裁ち方

チョッキンな〜♪
着物や浴衣っていうのは反物を
袖 見頃各2枚ずつと おくみ+襟分を
寸法毎にパタパタと折り畳み
裾のほうの端をまとめてシャキン!と
裁断するわけなのですが
ものすごく緊張する一瞬なのです

取り返しの付かない事態にならないよう
慎重に折り畳んだ後も 何度も確認してから
裁断するようにしましょう

実は肩のところで裁断したことがあるという
衝撃的体験を持つ身内(続柄は伏せる)がいます
でも気持ちはわかる…洋裁的知識が邪魔をする…
でも…肩に剥ぎがある浴衣…気をつけましょう

ところで 裁断は間違えなかったのですが
地直しをする際にあて布をしなかったので
裏に決めた面は残っている糊がテカってしまった
それなのにやっぱり粗忽ものなわたしは
見頃の左右を決めて衿肩あきを切るときに
確認したつもりが間違えて左見頃が裏に!

霧吹きをたくさんしてあて布をして高温で
アイロンをし直したらテカリはおさまりましたが
みなさま アイロンはあて布を忘れずに…
型紙使用 和裁では型紙を使わないのが基本で
毎回体型から割り出した寸法で
へらでキッキッと印を付けていく

それだけパターンがストレートなのだろう
というようなことは理解できるともさ
でもさ
洋裁型思考のわたしにはどうも解せない
どうして毎回同じ型なのに型紙を作らない?
なので今回型紙を作って裁断してみました

…やっぱり便利ですよ
それに実際着てみて変えてみたい箇所が出たら
(襟のくりや見頃の幅や袖付けやみやつ口など)
次に向けて型紙上で訂正できるわけだし
ミシンでダダダ なによりも粗忽な私にとってありがたいのは
印をつける時点で さしの目盛りの見間違えで
起きてしまうミスをなくすことができるってこと
(どんだけ粗忽だか…)

ところでお尻周りっていうのはどうしたって
布に力のかかるところで 手縫いだと
縫い目が割れてしまうのではないかと心配
なのでミシンでダダダっと縫う
特に背縫いは0.5mmくらいずらして
二度縫いもする

距離が長いので ダダダァーッと縫うのは
結構快感
ひたすらくけろ! ミシンで一気に縫った後は全てが手縫い
そしてお待ちかねの"くけ"が待っている
私は去年初めて浴衣を縫うまで
自分がどんなに"くけ"が好きか知らなかった

今では断言できる…私は"くけ"を愛しているっ
世の中にこんなに楽しいことはないっ
耳ぐけ 三つ折りぐけ まつりぐけ 本ぐけ
えい 何でもきやれっ なんぼでも縫うぜ
ビバ! 和裁!

ところでみなさま指ぬきってどんなのをお使いで?
いや私編み物も縫い物もどっちかというと習わずに
独習した方なので模範的じゃないんです
着てみた… 何がって針の持ち方だのなんだのって 細かいやり方が他と違う
縫い針のお尻を押すのはもっぱら中指のさきっちょなので
(でもそれ用の指サックみたいな指ぬきも売っているので
あながち間違いではないみたいなんですが)

だから指輪みたいな指ぬきの使い方ってさっぱりわからない
もし使えるのなら是非"加賀指ぬき"を作って使ってみたいんだが

ところで着てみた…やっぱり地味ですね…年相応かな?
お昼に着て英語行って夜まで買い物をして帰って来た時の写真
なんとか崩れてないですね…顔は寝てますが

この日デパートでエスカレーターに乗っているときに
向かいあって下って来たおじいさんに
「あんた!日本髪結ったらいいわ!うん!」と言われた
一瞬ハテナ?と思ったけれど ありがとうございます〜と言うと
おじいさんはえへへと笑ってもいちど「うん!」と頷いた

ほ、褒められたと思っていい…よね?
参考リンク
七緒 Vol.3 大人の浴衣・麻の着物  プレジデント社
写真がきれいな着物雑誌の浴衣と麻着物の特集号
素敵なコーディネイトや帯結びも参考になるし 半幅帯の作り方や麻の着物の洗い方も興味深い
沖縄の紅型作家さんや新潟の織元さんの仕事には はぁ〜っとため息がでます
中野翠さんの銀座散歩も魅力

竺仙
天保13年から続く老舗の染め物屋さん
あまりにきれいで見ているだけでうっとりします


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